フォームローラーをピラティスで活用

石川英明(いしかわひであき)
1970年生まれ
2000年よりピラティスの勉強を始め、2002年にSTOTT PILATES(tm)の認定を所得。
2003年、東京都中野区にインナーワークを開設。各種選手、アスリートから高齢者まで顧客層は広い。

ストット・ピラティス認定インストラクター
ACSM H/FI
(社)日本エアロビックフィットネス協会公認ADIエグザミナー/ディレクター
ピラティスのエクササイズ
「インヘイル(inhale、吸って)、エクセイル(exhale、吐いて)」
インストラクター石川英明氏は、指示をしながら、クライアントの姿勢や力の入り具合をチェックしています。
時々、「締めてない、締めてない」と筋を叩いたり、指先で触れながら、筋の収縮を意識させ、姿勢を維持させます。
ピラティススタジオ・インナーワークを運営する石川氏は、ピラティスの指導にも、フォームローラーを活用できると言います。

脊柱の動きを意識させる
「ピラティスエクササイズをさまざまな身体状況に適応させる為に、いくつかのサポートを用いる訳ですが、その中でもフォームローラーの活用度は非常に高いとされています。
マット、あるいはリフォーマーでのエクササイズでも、フォームローラーを使うと、脊柱を意識しやすくなり動き自体の効率が高まります」。

円柱形をしているフォームローラーを、縦にしてその上に乗る、その場合は、背中全体がつかないので、脊柱を意識しやすくなります。
すると椎骨1個1個の動きに意識を傾けることができるそうです。
これは、平面上では意識することが難しい部分になりますが、比較的不安定な曲面上でエクササイズすることによって、身体感覚として捉えやすくなります。

「ピラティスは、常に脊柱の配列に意識を傾けながら、心と体で対話しながら行うエクササイズであると考えています。骨が動けば、自然に筋も必要なだけ働くのです。このようにピラティスを続けていくと、体自体が本来の自然な状態に戻っていくため、非常に良好なコンディションに導くことが可能です。『体がエクササイズに吸い込まれていく』とよく言われます」とのことで、クライアントの継続率はほぼ100%だそうです。

ピラティスは、Joseph Pilates(1880-1967)によって開発されたエクササイズで、筋を鍛えるのではなく、「リラックスした状態で、コントロールされた動きを行う」ということに重点を置いたエクササイズです。
リフォーマー、キャデラック、チェアというスプリングによる抵抗を利用した用具も活用しながら、エクササイズを行います。
ピラティスをきちんと伝えたい
「現在運動をしている人々のほとんどは、激しく動いて消耗する『エクササイズ』に、疲れてきているのではないでしょうか。ピラティスは、鍛えるという発想ではなく、整えるという概念から存在します。常に自分の体に気付きを持ち、姿勢や動きから緊張を取り除いていき、最終的には身体を気持ちいい状態に戻す、というものです。きちんと伝えていくことで一過性のブームに終わらせるのではなく、多くの人に知ってもらい、生活に取り入れて欲しいと思います」と石川氏。

フォームローラーは、ピラティスというエクササイズ体系の中でも、使い方次第で活用方法があります。
シンプルな形だけに、多種多様なエクササイズが考えられます。

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